お見合いに参加する際、相手に自分をより深く理解してもらうために「釣書(つりしょ)」という書類が必要になることがあります。釣書は、言わばお見合いの履歴書のようなものですが、ただの形式的な情報の羅列ではなく、相手に良い印象を与えるための重要なツールです。釣書を書く際にはいくつかのマナーとルールを守ることが大切です。
まず、釣書は手書きで書くことが基本です。字に自信がないからといってプリンターを使ったり、パソコンで作成することは控えるべきです。釣書は、手書きの文字にこそ、その人の人柄や丁寧さが表れるものです。相手もあなたがどれだけ心を込めて書いたかを感じ取ることができるでしょう。特にお見合いの場では、形式的な履歴書というよりも、相手に対する礼儀を示す意味で手書きが尊重されます。字が少し下手であっても、丁寧に書くことが大切です。
次に、使用する紙にも気を配りましょう。釣書には上質な和紙や無地の便箋を使うのが一般的です。カラフルなデザインやイラストの入った紙は避け、シンプルな無地のものを選びましょう。サイズは便箋程度からA4サイズまでが適しています。書いた釣書は二つ折り、または三つ折りにして、白無地の封筒に入れましょう。封筒には「釣書」や「身上書」と表記し、のり付けはせずにそのまま封入します。この細かいマナーも、お相手に対する丁寧な心遣いを表すものです。
釣書の内容に関しては、氏名や生年月日、学歴や職歴といった基本的な個人情報に加え、家族構成や趣味・特技など、自分の人となりがわかるような情報も記載します。特にアピールポイントとして、自分の趣味や特技を上手に伝えることが大切です。趣味や特技は、あなたの人柄を相手に伝える良い機会です。たとえば「読書が好き」という場合でも、どのジャンルの本が好きなのか、どういう点に魅力を感じるのかまで具体的に書くことで、より深い人間性を伝えることができます。家族構成についても、どの程度の情報を載せるかはケースバイケースです。特に個人情報が絡む部分なので、慎重に内容を決め、家族や仲人と相談しながら記載内容を調整することが良いでしょう。
さらに、釣書には写真を同封することも大切です。写真はあなたの第一印象を決定づけるものなので、フォーマルな服装で撮影したお見合い写真を用意するのが一般的です。正面からだけではなく、やや斜めから撮影することで自然な印象を与え、相手に親しみやすさを感じてもらえるでしょう。日常のスナップ写真も数枚添えることで、普段のあなたの姿を伝えることができます。笑顔の写真や自然体で過ごしている様子を写した写真は、相手に良い印象を与えるために有効です。ただし、過度にカジュアルすぎる写真や奇抜なファッション、異性が写り込んでいる写真は避けるべきです。
釣書はお見合いにおいて、相手に自分をしっかりと知ってもらうための重要な書類です。手書きで書くこと、上質な和紙や無地の便箋を使うこと、フォーマルな写真を同封することがマナーとして求められます。また、趣味や特技、家族構成といった内容も、具体的に書くことで自分の人柄をより深く伝えることができます。釣書の書き方やマナーをしっかり守ることで、お見合いの成功につながるでしょう。